フイルムを20本撮り終えて思うこと。

思ったより文字ばっかりになりました。あとで写真ばっかりの記事も書こうと思いますが、これはこれで読んでもらえたら幸いです。 

はじめに

私がフィルムカメラに手を出したのは去年の10月。奇しくもフィルム業界が何度目かの値上げをした月だった(らしい)。そんな10月の頭から今年の2月の頭までの約4ヶ月間にフィルムを20本撮りました。なんとなくいい区切りな気もするので、ここらで一筆とりまして、まとめて何か書いてみようと思います。フィルムカメラを始めたばかりの私だから感じること。もしくはすこし慣れてきた私だから感じることを書けたらいいな。それでもって、同じくフィルムカメラをはじめたばかりの人や、これから始めようか悩んでいる人、もしくはフィルムカメラ玄人の方々に読んでもらえたらいいと思う*1

いきさつ

自己紹介を少しさせてもらいます。私は25歳です。去年の春から関東に就職しまして、お金を稼ぎ始めました。

学生の頃は一眼レフを持つようなことはありませんでしたが、バイトの小銭で購入したコンデジをいつも鞄の中に入れてました*2。旅行のたびに持っていってましたし、写真を撮ることに以前から興味があった気もします。

去年の夏頃にお給料を貯めてデジタル一眼レフを買いました。カメラとレンズの組み合わせは半年ほど悩みましたが、結局NikonのD5500とSigmaの30㎜ F1.4*3でした。これはこれですごくいい買い物でして、いまでもよく持って出歩きます。

夏頃の私は、カメラを買ったばかりだということもあるせいか、とにかくシャッターをきりました。「あっ」と思うのが早いか、シャッターをカシャっと切るのが早いか。デジタル一眼を持って一日歩き回ると、1,000枚強撮るようなこともよくあった。そんな日の写真を見返すと、なんだか思っていたのと違ったり、違わなかったり…きれいに撮れてる写真もあるけど、なんで撮ったかわからない写真も散見されたり…写真を撮るときに私は"どこ"にいるのだろう、なんて悩んだり悩まなかったり…そんな風にあれだこれだと悩んでいたとき、どこかで誰かの言葉を見つけました。

被写体を見つける。構図やピント、露出を考える。撮るべきなら、ファインダーを通して見つめてみる。ここで改めてシャッターを切るべきか考える。撮るべきものでないと思うなら、シャッターを切らずにカメラを下す。それもいい。

うろ覚えだが、こんな風な感じのことが書いてあった気がする。自分の悩みに対してなんだかアドバイスをもらった気がして、その日からヤフオクフィルムカメラを物色する日が続いた。(中略)今に至る。

※ 「デジタルカメラは質より量で、フィルムカメラでは質を追求できる。」なんてことを言いたいわけではないことをここに明記しておきたい。

会計報告

デジタルでもフィルムでも、カメラはお金がかかるもの。と思われがちだし、私も実際思ってました。私のケースを、ここに共有してみたいとおもいます。

初期投資

フィルムのカメラを始めようと思ったら、カメラとレンズが必要。当初は自分の足で中古カメラ屋を何軒か梯子して探してみましたが、なかなか思うものが見つからなかったので、最終的にヤフオクで探しました。いま使っているPentax SPはヤフオクで10,050 円でした。初めてのヤフオク利用で不安でしたが、説明通りの状態でしたし、ヤフオクも意外と怖いものではないようです。

レンズは、SMC Takmar 28㎜ F3.5とSuper Takmar 50㎜ F1.4の2本を持ってます。もっぱら持ち歩くのは28㎜ですが、50㎜ももう少し使ってあげたいところ…それぞれ6,480円と6,250円でした。

以上の機材、カメラとレンズを合計すると、22,780円。デジタル一眼レフを始めようと思った場合と比較すると、だいぶお安くすみます。レンズの価格もリーズナブルで、ついつい色んな焦点距離単焦点レンズが欲しくなる。せっかくレンズが交換できるのだし、ガシガシ交換したいじゃんね。いろんな世界を覗いてみたいじゃんね。28㎜は少し広いし、50㎜は少し狭い。次は35㎜か。ごくり。

ランニングコスト

フィルムカメラは初期投資こそ安いが、ランニングコストががががが…という話もあるので、これまで掛かった費用をまとめてみました。左右にスクロールできます。ごまかしのない赤裸々な記録です。参考になれば幸いです。

私は今のところ撮影するたびに毎回CDに焼いてもらってて、写真としてプリントしてもらったことがない。結局、一本撮るたびに、フィルム代+現像代+CD焼き代がかかることになります。上の表にある合計代金を20本分全て足すと34,227円。

高いと取るか安いと取るか。ひと月あたりに割ってみると1万円はかかってない。趣味としては上出来だろ。フィルム一本当たりに割ると1,711.4円。なるほどな。フィルム1本が36枚撮りだとして、1枚あたりに割ると47.5円。ぐぬぬ。シャッターを切るごとにだいたい50円玉が1枚消費されているのか。感慨深いな。

思うこと

お金はかかるか?

お金はかかる。タダじゃない。

フィルムは最近Lomoの400を使うことが増えた。色ノリが好みというのもあるけど、1本あたりの単価が安いのもある。フジフイルムの業務用フィルムを買えば、フィルムの単価はもう少し下げられそうだ。今調べてみたところ「ISO 400 36枚撮り 10本セット」が3980円だそう。1本あたり400円を切る。

写真屋さんには現像だけ任せて、CDに焼くって部分を自分でするっていうのも手かもしれない。世の中にはフィルムスキャナなるものもあるらしい。安いのを買うとあんまりきれいにスキャンできないという噂も聞くので、近くに使っている人がいたらぜひ話を聞いてみたい。

私がよく使うフィルムはカラーネガだけど、モノクロフィルムなら自家現像というのも手かもしれない。というか、自家現像自体には安くするとか以前に興味があるのでチャレンジしてみたい。新宿のヨドバシには貸し暗室があるらしい。試してみるか。

人と関わる

私はどちらかと言えば話すのが苦手で、ついつい黙っている方です。カメラを始めた動機も「一人で黙々と完結できるから。」という部分があった気もします。ただ、最近はなかなかどうして、カメラを通じて人と関わることが多いです。

昔からの友人自身がフィルムカメラに手を出してるというケースは、いまのところ無いですが、友人の知り合いなどを通じて、フィルムカメラが共通の話題として人のつながりが生まれることがありました。先日はそんなフィルムカメラの知り合い?の方の個展へ足を運んでみました。残念ながら在廊していなかったので、感想を伝えることはできてませんが、いい刺激になりました。いつかは私も展示会をしてみたい。

このブログも(前身こそあれど、)フィルムカメラを始めたぐらいから再び書き始めました。まぁなんとなく続いているのでこれからも不定期ながら続けていけたら幸いです。何気なく書いた記事もスターがつくとやっぱり嬉しかったりします。

私はもっぱら一人で風景を撮るのが多いですが、人物を被写体に写真を撮ってみたい気もします。撮ってもブログには上げないかもしれませんが、とにかく撮ってみたい。

あと、現像に出すってところで、また人とかかわる。現像結果を返してもらった時の「どこを撮った」「どんなのが撮れた」なんて店員さんと話すのも意外と面白い。他人と時間や場所を越えて出来事を共有できるのも写真の魅力なんだと再認識してみたりもする。

上には「一人で黙々と完結できるから。」カメラを始めたなんて書いてみたけど、カメラを知れば知るほど、写真を撮れば撮るほどそんなことないと感じてる。

趣味ってなんだ

社会人になってダイビングをはじめた友人がいる。彼も彼でお金がかかっているそうだ。まずライセンスを取るのに7万円ぐらい。ライセンスを持っていても、個人で潜りに行くわけではなく、ダイビングスクール主催のツアーに参加するらしい。日帰りで移動代やレンタル代が込み込みで1万円程度。本人曰く楽しいから"いい"らしい。そんなもんか。 結局何が書きたかったのかよく分からなくなったけど、とにかく趣味って肩ひじ張ってそろばん叩いてやるもんじゃないんだろう。かっこよければ"いい"んだろう。

おわりに

もう少しPentax SP愛とか、28㎜ 1/3.5f 愛とかを熱く語ってみるのを目指していたはずなのだけど、書き終わって見返すと、金銭面ばかり書いてしまった。ただ、続けていくには目を背けてもいられない部分だし、かかった金額をまとめてみたのはいい機会だったと思う。

Pentax SP愛や28㎜愛を語るのはまた30本撮った時や50本撮った時にでも取っておこう。

*1:結局は、誰でもいいからフィルムカメラに興味のある人に読んでもらいたいだけなのである。

*2:大学2年のころに買ったNikonCOOLPIX S6900です。いまでも通勤カバンに忍ばせてありますが、なかなか使う機会はありません。

*3:このレンズはArtシリーズと呼ばれる”Sigmaのちょっといい"レンズで、シリーズでは初となるAPS-C専用レンズでした。ボケがきれいな写真が撮れて、ダカフェレンズとも呼ばれるらしいと後になり知りました。このダカフェ日記を最近読みましたが、何気ない貴重な写真がたくさん載っていて、いつまでも見てたい気分になりました。